スリングベルト ナイロンスリングの点検および廃棄基準

  • (1)このページで記載する点検および廃棄基準表は国内製造メーカー丸善織物のJIS規格品の物になりますのでご注意ください。
  • (2)ベルトスリングは日常点検[※1]および定期点検[※2]を行って使用してください。
  • [※1]使用前に行う点検です。
  • [※2]定期的に行う点検で、使用頻度によって異なりますが、通常1か月ごとに行ってください。
  • (3)点検項目、点検方法および廃棄基準は次表を参考に行ってください。
点検及び廃棄基準表
点検項目点検方法廃棄基準
アイ目視
(a)織り目が分からないほどに毛羽立ちし、たて糸の損傷が認められるもの。
(b)目立ったきりきず、すりきず、引っ掛けきずなどが認められるもの。
(c)縫糸が切断して、アイの形状が保たれないもの。
縫製部目視
(a)目立ったきりきず、すりきず、引っ掛けきずなどが認められるもの。
(b)縫糸が切断して、ベルトのはく離が少しでも認められるもの。
本体目視
(a)全幅にわたって織り目が分からないほどに毛羽立ちし、たて糸の損傷が認められるもの。
(b)1の方向に幅の1/10、または2厚さ方向に厚さの1/5に相当するきりきず、すりきず、引っ掛けきずなどが認められるもの。
(c)縫糸が切断して、幅以上の長さにわたってはく離しているもの。
使用限界表示の露出又は消失目視
摩耗、きずによってアイ、縫製部又は本体のいずれかの部分において、ベルト内部の使用限界表示が著しく露出又は消失したもの。
その他の外観異常目視熱や薬品などによる著しい変色、着色、溶解、溶融が認められるもの。 汚れが著しいために、使用可否が判断できないもの。
使用期間管理台帳・表示などの確認使用状況によって一定の使用期限を定め、目立った損傷や外観に異常がなくても、使用開始後の期間がこれを超えるものとし、下記に使用期限の目安を示す。

1.常時、一般的な屋内環境(※注1)で使用する場合…使用開始後7年経過したもの
2.常時、一般的な屋外環境(※注2)で使用する場合…使用開始後3年を経過したもの(※注3)

※注1:常温で日光(紫外線)のさえぎられた屋内環境
※注2:1日の日照時間が3時間に相当する屋外環境
※注3:使用期限3年とは、常時一般的な屋外環境で使用する場合であり、さらに紫外線や熱の影響する過酷な環境下では、合成繊維の劣化を促進し使用期限は短縮されます。
金具変形目視曲がり、ねじれ、ゆがみんどが認められるもの。
きず目視著しい当りきず、きりかききずなどが認められるもの。
き裂目視き裂が認められるもの。
検査目視によってき裂の疑いがあり、非破壊検査(※注4)によってき裂が認められるもの。

※注4:非破壊検査は、磁粉深傷試験(JIS Z 2320-1〜3)又は浸透深傷試験(JIS Z 2343-1〜4)による。
摩耗計測摩耗量が、元の寸法の10%を超えるもの。
腐食目視全体に腐食が認められるもの、又は局部的に著しい腐食のあるもの。
当てもの目視著しく損傷、破損又は変形したもの。
ベルトスリングを長持ちさせるには?
ベルトスリングは重量物を吊り上げるためどうしても劣化が進みます。作業の安全を考えれば適切なタイミングで交換しなければなりません。しかし消耗品なだけにできるだけ長持ちさせたいのも心情というもの。今回はベルトスリングを良好な状態で長く使うための方法をご紹介致します。
必ず交換しなければいけない時期
通常、ベルトスリングおよびラウンドスリングは目立った損傷や異常が無くても、使用開始から一定期間が過ぎたら交換するよう推奨されています。
-廃棄基準
屋内環境での使用[※]使用開始後7年経過で交換
(常温で日光(紫外線)の当たらない屋内環境で使用した場合。)
屋外環境での使用[※]使用開始後3年経過で交換
(1日の日照平均が3時間に相当する屋外環境。さらに紫外線や熱の過酷な環境下では、合成繊維の劣化が進み使用期限が短縮される場合があります。)
[※]当サイト掲載のベルトスリングでの基準となります。他メーカー品では期間が異なる場合がありますので、ベルトスリング毎にご確認ください
ベルトスリングを長持ちさせるために
  • ・とにかく日に当たらないよう注意してください。屋外作業の場合は、使用していない間は日光の当たらない風通しの良い場所で保管してください。
  • ・使用可能な温度を確認し、極端に高温・低温環境での作業は控えてください。
  • ・酸やアルカリなどの化学薬品に触れる現場では使用しないでください。【化学薬品用ベルトスリング】の使用をオススメしております。
  • ・角張った荷を吊り上げた際に横滑りが発生すると、ベルトが切断されてしまう場合がありますので必ずカバーや当てものを使用してください。【保護パット・コーナーパット】
  • ・荷物を吊ったまま長時間放置しないでください。
  • ・ベルトスリングがねじれた状態で荷物を吊らないでください。
  • ・ベルトスリングを荷の下から引き抜く際に、損傷しないように注意してください。
  • ・地面や床の上を引きずらないでください。
  • ・急に引き上げるなど、ベルトスリングに急激な負荷がかかるクレーン操作はしないでください。
  • ・吊り角度はできるだけ60度以内にしてください。120度を超えて使用しないでください。
ベルトスリング自体の品質も重要
ベルトスリングの使用方法ももちろん重要ですが、やはり一番重要なのは品質となります。
危険を伴う作業だからこそ国産JIS規格品をオススメします。
当サイトでは、重量物の吊上げには安心安全のため、国産JIS規格品の使用をお勧めしております。