ミニトマトの主な病気

栽培中さまざまな要因でやってくる病気。予防から、早期発見の防除までその時の状態で適切な対策を行うようにしましょう。
病害の種類
灰色カビ病
症状 主に果実に発生する。葉、茎も侵される。花から果実に発病していく場合が多い。暗褐色の水浸状の病斑を生じ、それが拡大して軟化、腐敗する。病斑には灰色のかびがたくさん生じる。空気中の湿度が高いと盛んに胞子がつくられ、湿度が下がり、乾燥すると胞子は飛散し伝染を繰り返す。
対策
  • 1.ハウス内の循環扇を回し、多湿にならないようにする。
  • 2.発生を見つけ次第、薬剤を散布する。
  • 3.発病した果実や葉は伝染源になるので取り除き、ハウス内に残さないようにする。
うどんこ病
症状 主に葉に発生するが、多発すると葉柄・果梗・へたなどにも発生する。Erysiphe菌の場合は、葉の表面にうどん粉をふりかけたような白いカビが密生し、被害部の組織は黄化するが、落葉や枯死することはない(外生的寄生)。Oidium菌の場合は、葉の裏に白いカビを生じ、葉の表面は黄化し、症状が進むと落葉する(内生的寄生)。乾燥条件(湿度40〜90%)で多発しやすく、20〜25度の気温の時に発生が多い。
対策
  • 1.古い葉を取り除き、日当たりと通風を良くする。ハウス内でも循環扇を利用する。
  • 2.予防に重点を置き、潅水の7〜10回毎に薬剤を散布する。
  • 3.被害残渣の処分を徹底し、圃場衛生に努める。
葉カビ病
症状 主に葉に発生するが、ときに茎・花・果実にも発生する。葉の表面に形の不鮮明な黄色の小斑点を生じ、裏面はぼんやりとした斑点となり、間もなく病斑上には灰白色の粉状のかびを生じる。病気が進むと灰褐色〜灰紫色のかびになり、湿度が高いと葉の表面にもかびがみられる。ごく若い葉には発生しない。資材、被害葉、種子に付着した病原菌が第一次的な伝染源となる。胞子は容易に飛散し伝染する。葉に露などがあると胞子は発芽し、葉裏の気孔から感染する。気温が20〜25度で湿度が高いときや、肥料切れのとき発生しやすい。
対策
  • 1.潅水のやり過ぎや密植を避け、できるだけ換気を行い、湿度が高くならないようにする。
  • 2.肥料切れにならないようにする。
  • 3.病気の予防に重点を置き、潅水の7〜10回毎に薬剤を散布する。
  • 4.被害残渣の処分を徹底し、圃場衛生に努める。
疫病
症状 葉・茎・果実に発生する。葉でははじめ灰緑色の水浸状の病斑を生じ、しだいに拡大して暗褐色の大型の病斑になる。多湿時には病斑の表面に白色のかびを生じ、病斑は乾燥すると茶褐色に変わり破れやすくなる。被害株に付着し、土壌中に越冬した病原菌が第一次の伝染源になる。気温20度くらいのやや低温で降雨が続く時や、ハウス内がやや低温で湿度が高い時(冬〜梅雨期)に発病条件が揃うと発生しやすい。疫病は感染から発病までの期間が短いので、発生すると短期間に広がる。
対策
  • 1.湿度が高くならないように潅水や換気に気をつける。
  • 2.病気の予防に重点を置き、少なくとも発病前に1度は予防散布を行い、その後は、発病期も含めて潅水の7〜10回毎に薬剤を散布する。
  • 3.被害残渣の処分を徹底し、圃場衛生に努める。
斑点細菌病
症状 葉・茎・果実に発生する。葉では若葉から発生し始め、暗褐色で水浸状の円形または不整形の小斑点を生じ、病斑の周辺は淡黄色になる。やがて病斑は、褐色〜黒色になる。
果実では緑色〜褐色の水浸状の小斑点を生じ、拡大して黒色となり、中心部はコルク化してそうか状になる。病原細菌は種子の表面に付着したり、被害茎葉とともに越年し伝染源となる。換気不良で高温多湿のハウスが発生に適する。土壌感染もする。
対策
  • 1.循環扇などを利用して換気に努める。
  • 2.予防に重点を置いて、潅水の7〜10回毎に薬剤を散布する。
  • 3.被害残渣の処分を徹底し、圃場衛生に努める。
菌核病
症状 主に果実・茎に発生する。果実では花を中心に、茎では付傷部分に暗褐色で水浸状の病斑をつくり、病勢の進行とともにその部分は白色綿毛状のかびを生じて軟化・腐敗する。病斑には、灰色のかびを沢山生じる。湿度が高いと病斑の外部の白色綿毛状のかびは塊状となり、黒色の菌核となる。病原菌は、土壌中で菌核として越年生存し、やや低温(20度前後)が続き高湿度の条件でこの菌核が発芽し、1〜数個のキノコ状の子のう盤をつくり、胞子を飛散して感染する。
対策
  • 1.病果は見つけ次第取り除く。
  • 2.湿度を低くする。
  • 3.予防、発病初期の防除に重点を置き、潅水の7〜10回毎に薬剤を散布する。
  • 4.被害残渣の処分を徹底し、圃場衛生に努める。