芝生の雑草 お困り 専用の除草剤

除草剤の種類による効果
《散布時の注意事項》
除草剤の使用時期で気をつけなければならないのは、高温時を避けるということです。高温時は雑草に対して高い効果を発揮しますが、芝生に対しても薬害が生じやすくなります。
選択性除草剤と非選択性除草剤
除草対象により、選択性除草剤と非選択性除草剤の違いがあります。
選択性除草剤
作物に影響を与えずに、雑草のみを枯らす効果がある除草剤です。芝生で使用する除草剤はこの選択性除草剤ということになります。
非選択性除草剤
こちらは、目の前にある草花野菜全て枯らしていきます。使用する場合は、周囲に飛散しないように気をつけなければなりません。
茎葉処理剤と土壌処理剤
除草剤は、雑草が既に生えている、まだ生えていないによって使用する芝生用除草剤が分かれます。
茎葉処理剤 (生育阻害)
茎、葉に薬剤がかかることに雑草内へと吸収され枯れていきます。発芽から早めの時期に対処することで、散布する薬量を抑え、容易に枯らすことが出来ます。大きく成長してしまってからだと効果が出にくい場合あります。
《該当 除草剤》
シバゲンDF / MCPP液剤 / アージラン液剤 / ダブルアップDG / ザイトロン液剤 / ロンセイバー / アトラクティブ / ハーレイDF / トリビュートOD / スコリテック液剤
土壌処理剤 (発芽抑制剤)
主に雑草の発芽前や発芽したばかりの状態へ散布します。土壌表面に薬効のある層をつくることで発芽したばかりの芽や根から吸収されることで枯れます。持続効果は、薬剤により異なります。
《該当 除草剤》
シバゲンDF / ウェイアップフロアブル / シマジンフロアブル / ダブルアップDG / レンザー水和剤 / ロンセイバー / アトラクティブ / ラポストフロアブル / サプライズフロアブル / ウェーブル顆粒水和剤 / ハプーン乳剤
芝生の雑草
雑草と一言でいっても様々なものが生えており、効果的な除草剤散布には、この種類を知る事が重要となります。
分類するとイネ科雑草、広葉雑草の分類、一年生雑草、多年生雑草の分類とに大別できます。芝生用の除草剤は、このどれに属する雑草かにより効きが変わります。
一年生
夏草と言われます。春になると芽が出て、種をまいたあと冬に枯れます。
多年生
地下茎が生き続けるタイプで、冬には地上部は枯れますが、春になるとまた芽を出します。
越年生
冬草と言われます。秋になると芽が出て生長し、夏前には種をまき枯れます。
雑草の種類と除草剤使用時期 一覧表
芝のある場所に生息する雑草 一覧表
主な芝生地に生える雑草を表記しております。雑草にどの除草剤が効くのかは、各除草剤の製品ラベルをご覧ください。
芝生の主な雑草 (50音順)
雑草名 分類 特長
オオアレチノギク 越年草
キク科
夏の代表的な雑草の一つ。 主に幼苗は秋に発生する。
シバゲンDF
オオイヌノフグリ 越年草
ゴマノハグサ科
秋に発生し、冬から春にかけて生長する。
MCPPアトラクティブウェイアップフロアブル
オランダミミナグサ 越年草
ナデシコ科
秋に発芽し、翌春に分枝する。
シバゲンDFアトラクティブラポストフロアブル
ウェイアップフロアブル
カタバミ 多年草
カタバミ科
ほふく茎は越冬して翌春そこから芽をだす。
シバゲンDFMCPPラポストフロアブル
シロツメグサ 多年草
マメ科
茎は丈夫で横に這い、節から葉をだす。
シバゲンDFMCPPザイトロンアミン液剤
スギナ 多年草
トクサ科
地下茎を伸ばす。春にツクシが現れ、その後スギナが現れる。
シバゲンDFMCPPアージラン液剤
スズメノカタビラ 越年草
イネ科
多くは秋に発生する。
シバゲンDFアージラン液剤アトラクティブ
ウェイアップフロアブルラポストフロアブル
シマジンフロアブルハーレイDFトリビュートOD
サプライズフロアブルダブルアップDGレンザー
セイヨウタンポポ 多年草
キク科
春に多くの花茎をだす。
シバゲンDFアトラクティブ
チガヤ 多年草
イネ科
地下茎を伸ばして繁殖する。
シバゲンDFアージラン液剤
チドメグサ 多年草
セリ科
茎は地面を這い、茎から根と葉をだす。
シバゲンDFMCPPザイトロンアミン液剤
ナズナ 越年草
アブラナ科
3〜5月に茎の先に花柄がでる。
シバゲンDFCPPシマジンフロアブル
ニワゼキショウ 多年草
アヤメ科
4〜5月に茎先に花をつける。
ノボロギク 越年草
キク科
多くは秋に発芽する。
シマジンフロアブル
ハマスゲ 多年草
カヤツリグサ科
地下茎がありその先に堅い塊茎をつくって繁殖する。
シバゲンDF
メヒシバ 一年草
イネ科
発生量が多い。春〜夏に発生。
シバゲンDFアージラン液剤シマジンフロアブル
ウェイアップフロアブルラポストフロアブル
ハーレイDFトリビュートODダブルアップDG
サプライズフロアブル
芝生の種類に合った除草剤
芝用の除草剤は品種による選択制を利用しています。芝の種類にあった薬剤を選びましょう。
暖地型シバ
冬は生育が止まり、地上部が枯れる芝です。
ノシバ、コウライシバ・・・日本芝
ノシバは、北海道以南の日本全土で見られます。コウライシバに比べ寒さに強いので東北地方などではよく利用されています。
また、ノシバ、コウライシバ共に乾燥に強いことも特徴にあげられます。

日本芝は使用できる薬剤が多く、管理もしやすい種類と言えます。
※日本芝のイネ科雑草を駆除する場合、既に発生が見られるなら生育初期まではアージラン、発生前及びカヤツリグサが多く生える場所では発芽を抑制するシバゲンが効果的です。
《該当 除草剤(コウライシバ含む)》
シバゲンDF|MCPP液剤|アージラン液剤|ウェイアップフロアブル|ザイトロン液剤|シマジンフロアブル|ダブルアップDG|アトラクティブ|ラポストフロアブル|ハーレイDF|トリビュートOD|スコリテック液剤|ロンセイバー|サプライズフロアブル
コウライシバ・・・日本芝
コウライシバは、ノシバよりも利用度が高く、ノシバよりも葉が細く背丈も低いのが特徴です。
日本芝は使用できる薬剤が多く、管理もしやすい種類と言えます。
《該当 除草剤》
レンザー水和剤(コウライシバ)|コケ用キレダー水和剤(コウライシバ)
バミューダグラス類・・・西洋芝
暖地型シバの代表種とされています。ティフトンは改良種(交雑種)で、密度の高い柔らかな葉が特徴です。
《該当 除草剤》
シバゲンDF|ウェイアップフロアブル|トリビュートOD|シマジンフロアブル(ティフトン)
センチピードグラス類・・・西洋芝
主に関東以西で用いられる暖地型芝で比較的省力管理が可能です。
《該当 除草剤》
シバゲンDF
寒地型シバ
冬も緑に保たれる芝です。
ベントグラス類・・・西洋芝
葉が細く柔軟で、最も美しいシバといわれています。低刈りに強く、ゴルフ場のグリーンによく用いられます。
《該当 除草剤》
ロンセイバー|コケ用キレダー水和剤
ブルーグラス類・・・西洋芝
代表種のケンタッキーブルーグラスなどは、日本の寒冷地(北海道・東北・高冷地など)のシバとして広く使われます。
《該当 除草剤》
MCPP液剤|ダブルアップDG|スコリテック液剤|ハプーン乳剤
フェスク類・・・西洋芝
葉の形によって分かれ、広葉系のトールフェスクは、道路の法面など、細葉系はゴルフ場などで使われます。
ライグラス類・・・西洋芝
多年生(ペレニアルライグラス)と一年生(アニュアルライグラス)があります。
《該当 除草剤》
ダブルアップDG
除草剤の使用時期一覧表
《散布時の注意事項》
薬剤の使用にあたっては、薬品のラベルをよくお読み下さい。また使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意してください。
芝生の除草剤 一覧表
薬剤名 タイプ 使用時期 対象芝
シバゲンDF 茎葉処理
土壌処理
雑草発生前〜 発生初期 ・日本芝
・バミューダグラス
MCPP液剤 茎葉処理 雑草生育期 ・日本芝
・ブルーグラス
アージラン液剤 茎葉処理 雑草生育初期 ・日本芝
ウェイアップフロアブル 土壌処理 雑草発生前 ・日本芝
・バミューダグラス
シマジンフロアブル 土壌処理 雑草発生前 ・日本芝
・ティフトン
ザイトロン アミン液剤 茎葉処理 雑草生育期
(雑草が生え揃った状態)
・日本芝
アトラクティブ 茎葉処理
土壌処理
雑草発生前〜生育期 ・日本芝
ラポストフロアブル 土壌処理 雑草発生前 ・日本芝
ハーレイDF 茎葉処理 雑草発生揃期〜生育初期 ・日本芝
トリビュートOD 茎葉処理 雑草発生初期〜生育期 ・日本芝
・バミューダグラス
スコリテック液剤y 茎葉処理 雑草生育期 ・日本芝
・ブルーグラス
ロンセイバー 茎葉処理
土壌処理
雑草発生前〜発生初期 ・日本芝
・ベントグラス
サプライズフロアブル 土壌処理 雑草発生前 ・日本芝
ダブルアップDG 茎葉処理
土壌処理
雑草発生前〜雑草発生初期 ・日本芝
・ブルーグラス
・ライグラス
レンザー水和剤 土壌処理 秋期雑草発生前 ・コウライシバ
コケ専用キレダー 茎葉処理 藻類・コケ類の発生時 ・コウライシバ
・ベントグラス
合わせて使うと効果的な除草剤の組合せ
アージラン液剤とMCPP液剤
日本芝への茎葉処理剤として。
雑草の生育初期に対しての効果があります。合わせて使う事によりお互いの効果の無い雑草をカバーすることができます。
この場合に対象となる芝は、日本芝です。
  • ・アージラン液剤・・・イネ科雑草の生育初期のものを枯殺、キク科雑草を枯殺
  • ・MCPP液剤・・・クローバー、広葉雑草の生育期のものを枯殺
【ワンポイント】
春期、秋期には、アージラン液剤とMCPP液剤の茎葉処理剤の組合せに、土壌処理剤も混ぜて散布することでより効率的な防除が可能です。
ウェイアップフロアブルとダブルアップDG
日本芝への土壌処理剤として。
両剤ともに土壌処理剤として効果があり、合わせて使う事によりお互いに効果の無い雑草をカバーすることができます。効果も長いです。
この場合に対象となる芝は、日本芝です。
使用時期は、雑草の発生前から発生初期となります。成長期の雑草には効果がありません。
  • ・ウェイアップフロアブル・・・イネ科雑草の発芽抑制
  • ・ダブルアップDG ・・・広葉雑草の発芽抑制
  • ※張り芝直後(ターフ形成前)の場所には使用しないで下さい。
ラポストフロアブルとアトラクティブとハーレイDF
日本芝への土壌処理+茎葉処理剤として。
公園などにおける初夏〜夏期処理を目的とした組合わせ。GW後の使用が効果的。 発生した雑草を枯殺しつつ発生抑制効果も見込めます。 5月中旬〜下旬の散布で8月下旬まで雑草の少ない状況を維持します。 安全性の高い薬剤の組合わせなので、周辺環境、作業員、利用者に対し安全です。 張り芝直後の芝生にも散布可能。
  • ・ラポストフロアブル・・・一年生、イネ科雑草の発生予防
  • ・アトラクティブ・・・広葉雑草の発生予防+枯殺
  • ・ハーレイDF・・・イネ科雑草の枯殺
芝生の除草剤、散布液の作り方
※薬剤のラベルに記載されている、「使用回数」や「総使用回数」は、年間を通してその薬剤や、同じ成分の薬剤を散布する合計回数となります。
使用回数を超えての散布は、芝生に薬害が出るおそれがありますのでご注意ください。
アージラン液剤を散布する場合の希釈例
【容器に記載されている使用方法】
10アール当り使用量(10アール・・・1000平方メートル)
使用時期 薬量(ml) 希釈水量(L)
雑草生育初期 400〜600 200〜300
春期の雑草が生え出したばかりの頃、30平方メートルの芝の庭に散布する場合
  • 1.まず1平方メートル当りの薬量と希釈水量を出す。
      薬量・・・10アールに400mlなので、1平方メートルだと0.4ml必要。
      希釈水量・・・10アールに200Lなので、1平方メートルだと0.2L(200ml)必要。
  • 2.次に30平方メートルに散布するのでそれぞれを30倍して、 薬量12ml、希釈水量6Lを混ぜ合わせて均一に散布する。
  • ※薬剤の表示ラベルには、400〜600というように量に幅のある表示がされていますので、初めて散布する場合は、濃度があまり濃くならない程度で散布することをおすすめ致します。
  • ※薬剤の表示ラベルには、散布にあたり注意すべき事項が書かれておりますので、散布前にしっかりと目を通してください。