蔓性雑草 クズ(葛)の除草

蔓性雑草とは
クズ、ヤマブドウ、ヤブカラシなど空き地に多く見られる長いつた状の雑草で、 地面やほかの植物、建物の壁などに這うように伸び覆ってしまう非常に厄介な雑草です。 葛(クズ)は、かつて食用(葛餅)、薬用(カッコン)などに利用されていましたが、近年では放置され空き地一面を覆う程増殖している姿が度々見られます。 また根に蓄えた栄養により生命力が非常に高く、旺盛に生育する為数十メートルまで伸びることもあります。このような性質から駆除が難しい雑草でもあります。
クズ(葛)とは
クズはマメ科つる性の多年草(冬になっても枯れずに越冬し、翌年成長する雑草)。古くから食用や薬用、飼糧として採取されていましたが、近年ではあまり利用されることはなく空き地一面を覆う程増殖している姿が度々見られます。根にデンプンを溜めこむ性質を持っており、この栄養分により冬場に葉が枯れても越冬することができます。昔から葛粉としても利用されています。またツルは非常に成長が早く、数十メートルまで伸びることもあります。ツルは地面に触れるとそこから根を出し、別株として成長していきます。このため繁殖力が旺盛な雑草としても有名です。
その根はツルよりも厄介!
例えば空き地などを覆い尽くしてしまう葛。確かに地上部のつるも厄介なのですが、本当に厄介なのは根の部分。クズは一般の雑草と比べても根が強く、非常に長く伸びた蔓をいくら駆除しても根から伸びてきてしまいます。

除草剤を使ったクズ(葛)の駆除方法
1.サンフーロン注入処理 根まで枯らせる除草剤で全体を枯らす
グリホサート系の除草剤(サンフーロン)は根まで移行して根を枯らす作用があります。
しかし、長いツルに散布したところ、葉から根まで薬剤が移行しきらないことがあります。
そこで、ツルの根元から50cmほどの位置に鉈などで傷をつけ、原液を刷毛などで塗ることで作業性良く効果を発揮します。

栄養を溜めこんで巨大化したクズは非常に強い生命力を持っているため、簡単には退治できません。巨大な株は、数年単位で枯らさなければならない場合もあります。根に栄養分を貯め、そこから再生する性質を持っているため、まず根を探さなければなりません。ツルや葉を手で刈り取っても良いですが、そこまで労力を割けないという方はグリホサート系の除草剤サンフーロンやラウンドアップを使用しましょう。葉から入って植物全体に作用する性質を持っているため、根以外のツルと葉を枯らすのに効果的です(土に触れると分解されて効果が無くなるため、葉に直接かかるように散布しましょう)。サンフーロン、ラウンドアップともに50倍希釈で散布してください。ジェネリック農薬(製造特許が切れて安価に作れる農薬)で安く手に入るサンフーロンが特にオススメです。

2.専用除草剤ケイピンエース クズ(葛)の根を枯らす
除草剤を染み込ませた木の楊枝で、差し込んで使えるため非常に簡便のためオススメです。
霧などでつるに穴をあけ、一株当たり1〜3本が適量です。冬季も使用可能です。

根を見つけることができたらここに直接除草剤を流し込みます。中でもクズ退治に特化した専用の除草剤、ケイピンエースがオススメです。ケイピンエースは爪楊枝のような形になっており、クズの根元に直接さして使用します。頭の部分から薬液がとけだし、楊枝の部分を通して根の中に直接浸透していきます。打込む際はあらかじめキリやドリルなどで穴を開け、そこにケイピンエースを差し込んで使用してください。効果は遅効性のため、完全に枯死するまで数か月単位で時間がかかります。
クズの株を見つけるには、冬場の周囲の雑草が枯れている時に行うと効率的です。

3.ザイトロンアミン液剤
少々値は張りますが、ザイトロンアミン液剤も強力です。通常の茎葉処理(葉に散布)の他、根を確実に処理したいときには以下の方法があります。 根元への処理のため、つるが勢いよく茂っているときは根元が見えるよう刈り取ってください。
ツル成長期の春〜夏 つる切り処理
蔓に1〜3箇所傷をつけ、ザイトロンアミンを2倍の水で薄めてスポイトなどで滴下します。
一株当たりザイトロン2ml(水4ml)が適量です。
ツル落葉後の秋〜春 株頭処理
蔓を株際で水平に切り、ザイトロンアミンを2倍の水で薄めてスポイトなどで滴下します。
一株当たりザイトロン1ml(水2ml)が適量です。
直接処理で確実に枯殺 クズ切株処理
蔓を株際で水平に切り、根の範囲の土を掘り出します。噴霧器などで根元に直接ザイトロンを散布します。
一株当たりザイトロン10〜20mlml(25倍希釈)が適量です。
4.粒除草剤ハイバーエックス
根の周囲に多めに散布して根を枯らします。夏季はグリホサート剤を併用して地上部を処理しておきます。
5.生育抑制剤ショートキープ
秋口に散布することで、根への栄養蓄積を阻害し翌年の発生を抑制することができます。掘り返しの作業がしにくい。高速道路脇などで茎葉処理剤とあわせて用いられている方法です。
クズ(葛)の予防方法
クズは種子によっても繁殖するため、完全に退治してもまた新しい個体が飛来してくる可能性があります。また、隣の土地からツルを伸ばして勢力を伸ばしてくる恐れも捨てきれません。最も効果的な予防法は地面を露出させないことですが、全面をコンクリートやインターロッキングで覆う方法は膨大なコストがかかるため現実的ではありません。
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